鋸南町観光

●権兵衛さんとタヌキ(ごんべいさんとたぬき/Gombei and a raccoon dog)

説明

 むかし、下佐久間村に相撲好きの権兵衛という人がいました。ある日、岩井袋の親歳の家の手伝いに行き、お酒をごちそうになって夜道を帰ってくると、山道のやぶの中から「権兵衛、相撲とるべ」と声がします。さてはいたずらタヌキだなと思い、声のする方へかまえると、着ていた印ばんてんのえりをつかまれ、投げ飛ばされました。おみやげにもらった魚もなくなっています。くやしい権兵衛さんは、次の日の夜、同じ場所に来て、勝負をいどみますが、またえりをつかまれ投げ飛ばされてしまいます。「権兵衛は弱い」と草むらからはやされて、権兵衛さんはすっかり考えこんでしまいました。なぜ、真っ暗なのにおれの背中がわかるのか。おれの印ばんてんの背中の白い丸印めがけて来るのだろう。また次の夜、権兵衛さんは、印ばんてんの背を前にして着なおし、声と同時にかまえると大きなタヌキが飛び込んできました。力まかせに投げ飛ばすと、タヌキは「権兵衛、かんべん」と言いながら、逃げていきました。